タコの卵

どこまで我慢するのが身近な恐怖なのか

忌録: document X 読むと怖すぎて気持ちが悪くなるからよまないほうがいい

アチメ オオオオ オオオオ オオオオ

怖い本を読むべきではなかった。

特に夜に読むべきではない。なぜなら夜は怖いからだ。怖い夜に怖い本はマズい。

ハブ×クラゲ=ハブクラゲになるようにコワイとコワイは相性が良すぎるのだ。

アチメ オオオ オオオ オオオ

そんな怖い夜に読んだ

忌録: document X

 

 

忌録: document X

忌録: document X

 

 

 

が読んだ後に気持ちが悪い感想を抱いた。

とてもじゃないが一人でいたくなくなる怖さだ。なんていうか…気持ちが悪い。言い表せない不気味な感覚が肩をなでる。エグい。気味が悪い。不気味。読まなければ良かった。例えるなら短編集の残穢だ。

アチメ オオオ オオオ オオオ

残穢も直接的に心霊現象を書いてないが、読者から「怖い話」を乗せている。

 

 

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本書はドキュメンタリー本とでも言うのだろうか。

ある事件の記録をたんたんと記載している内容。

アチメ オオオ オオオ オオオ

読んだ感想に多かったのが、映画監督の「白石監督」作品を本にするとこんな感じかな?と書いてあった。

 

その忌まわしさゆえに存在を葬られ、封印された事件。
神隠し、呪詛、幽霊屋敷、心霊ビデオ・・・。
本書では、著者が2006年から2012年までの間に収集した、それらの記録を公開する。
 

 

「みさき」
一九九二年七月七日、一人の少女が失踪した。少女の名は吉野美咲。彼女は周囲を濠に囲まれた神社から、両親が目を離したほんのわずかな時間に忽然と姿を消した。
これは事件なのか、事故なのか、それとも人知を超えた力によるものなのか。警察による懸命の捜索も空しく、何ひとつ手がかりのないまま時間だけが流れていく中、両親は藁にも縋る思いで霊媒師の協力を仰ぎ、交霊会の場で娘との交信を試みる。
だが、それはこれから始まる恐ろしい出来事の、ほんの始まりに過ぎなかった・・・。

 

「光子菩薩」
ある旧家で発見された、一通の書簡。そこには、"谷中の眼球くりぬき魔"こと満田敏夫の所持品から見つかった、光子菩薩という奇怪な仏が描かれた護符と、それにまつわる世にもおぞましい事件についての顛末が書かれていた。
光子菩薩の護符を目にした人間は、わずか数日のうちに急速に認知能力を失い、最後には回復の見込みのない昏睡状態に陥るのだという。これは護符の呪いなのか? そして、護符と眼球くりぬき魔との関係は? 記述者である「私」は、その謎を解明するべく、恐るべき非人道的実験に手を染めていく・・・。

 

「忌避(仮)」
某出版社の倉庫に眠っていた、一枚のフロッピーディスク。ラベルに「忌避(仮)」と書かれたその中には、取材先の土地で失踪したライターが残した記事の草稿が収められていた。
彼が取材していたもの、それは二〇〇一年に沖縄県糸満市で起きた、幽霊屋敷にまつわる事件だった。改装された古民家で次々と起こる怪現象は、聖域を侵した祟りなのか。
激しい嵐のさなかに行われた降霊会で、逃げ場のない一家の前に、彼らを襲う怪異がついにその正体を現す・・・。

 

「綾のーと。」
インターネット上には、更新が止まったまま放置された廃墟のようなブログがいくつも存在する。
ここに紹介するのはその中の一つ、ある女性が関東某所に実在する幽霊マンションで過ごした、三ヶ月間の出来事を記録したものである。
はたして幽霊の実在は証明できるのか。彼女は友人と協力して部屋にウェブカメラを設置し、心霊現象の証拠を押さえるため、無人の部屋を録画するが・・・。

 

 

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電子書籍で初めて手にした本であり、2015年度一番衝撃を受けた本。
私はこの本をとても気に入っているのだけれども、それを表す言葉が中々見つからない。
一体どんな本なのか?
いや、そもそもこれは本なのか?

収録された四つの記録は、どれも断片的で、すっきりとしたオチや解釈があるものではない。一体何が起きているのか?その後どうなったのか?それは完全には語られない。だが、語られない故に、ネットやテレビで某かの事件の第一報を聞いた時にふっと感じる「あ、これ、もしかして……」という薄気味悪さと、いつまでもいつまでも、本から離れても、頭の片隅でくすぶり続ける後味の悪さがある。

例えば、「綾のーと。」 の最後。
これを実際に見たことがある人は大勢いるのではなかろうか?
となれば、その裏には、「ネット上に時々ある、あれの裏」には、こういう事が起こっているのではなかろうか?
もしかしたら、知らないうちにそこに片足を突っ込んでいたのではなかろうか?

これは本ではない。
卵だ。
我々の頭に寄生し、大きくなり、やがて弾ける。
すると、見えないものが見えてくる。
この事件の真相は?その後どうなった?
それが薄ぼんやりと見えてきた時に、更に見えてくるモノがある。
ページの向こうから、じっとりとこちらを見つめ続けるモノ。
恐怖、と言って片づけてしまってよいのか戸惑う、蠱惑的なナニカ。

それを味わいたいなら
夜、独りでいる時にふっと後ろにナニカを感じたいなら
この本を手に取るべし。

 

例えるならTVでやっていた「放送事故」に近い。

記録が真実だとは限らないってやつ。

また、電子書籍じゃないと書けない内容になっている点も面白い。

 

togetter.com

全部読んだ感想はインターネットコンテンツの1つ「洒落怖」を集めて集めて凝縮させた一冊だと思う。とにかく既視感が凄くてネット上の「コワイ」を集めて本にした形だ。読んでて嫌になる感覚が洒落怖の作品の中には結構ある。

その嫌な感覚だけをくり抜いて一冊の本に仕上げたのが「忌録」だ。

 

記録だけを書いてあるドキュメンタリー本なので、読んでいる読者が「気持ちが悪いパズル」を組み立てて怖い話を完成させる感覚に身の毛がよだつ。

物語ではなく事件が書いてある。だから読んだあとの満足感がない。どれもこれも中途半端に話が終わってしまうからだ。だから内容を考えて考察したくなる。もっと怖くなるとも知らずに。真実が知りたい。例えおぞましいものでもあったとしても……。

 

 

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Kindle Unlimited では無料で読めるので会員の方は読んでみて欲しい。

会員じゃあなくても値段が¥299なので安い。300円でこんなおぞましい本が読めるのなら安いと思う。いや……買わないほうがいい。読んだら後悔する。本当にコワイのだ。気持ちが悪い感覚に襲われたいのであれば止めないけど……。

 

洒落怖大好きなら絶対読むべき一冊。

 

忌録: document X

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