タコの卵

どこまで我慢するのが身近な恐怖なのか

南風原の妖怪横断歩道おじいの生態

沖縄の妖怪の一種で、おじいちゃんの妖怪。横断歩道おじい、渡れない老人、ガンバレオジイチャン、南風原の闇などと呼ばれる。

南風原道路拡張工事以後に姿が見られるほか、パレットくもじ交差点や長い横断歩道などに見られる。

 

目次

 


概要


横断歩道を果敢にチャレンジして結局渡りきれない姿が一般的に描写される。
おじいちゃんであることや、歩くスピードが極端に遅いことが共通点。

本来、長い横断歩道には長めの青信号が設定されているはずだが、車社会の沖縄は車優先なのか青信号が短い傾向にある。そのため長い横断歩道を渡り切るには一定のスピードが必要不可欠であり、スピードの向こう側にいる老人には辛い。
辛いので横断歩道の真ん中で信号が点滅することがよくある。そのため、渡り切るのは無理だと判断するのか、そのまま渡りきればいいのに元の道路にUターンする姿が特徴だ。
一説によればこの行動を見ていると

おじいちゃん一生向こう側の道路にいけないんじゃ

と思ってしまうことから、妖怪横断歩道おじいと呼ばれるようになったと言われている。

 

あきらめない謎


普通、1回渡り切るのが不可能だと判断すると他の手段で道路を渡りきろうと思うのだが、妖怪は違う。妖怪はかつて、何回もこの道路を横断した事があるのだ。
横断の成功体験は蜜の味なので、何回も繰り返し渡る。そのうち老人になると足腰も弱くなって歩行スピードは急激に衰える。心肺機能低下にも拍車がかかる。

 

それでも横断歩道チャレンジを続ける理由は、若き日の成功体験にある。

老人はぶっちゃけ自分のことを老人だと思ってない。思っている老人はいない。
なので台風の日に田んぼを見に行ってそのまま死んでしまう老人が後を絶たない。正月の餅だってそうだ。

今まで全部成功してきたのだ。余裕すらあったと思える。

それなのに周りは「もうおじいちゃんなんだから」と心配する。
こっちはおじいちゃんなんて思ってない。勝手に老人扱いしやがってこのヒヨッコが!
みなさいな。今回も無事に田んぼを確認してくらぁ!!!

 

おじいちゃん……(´;ω;`)

 

言うなれば台風の日に田んぼを誰よりも確認した男なのだ。誰よりも正月に餅を食ってきた人たちなのだ。

 

ルーチンワーク化している作業を他の人からとやかく言われるから余計にムキになる。その結果自分が思っている以上に衰えている体とのギャップに苦しみ「老い」を嫌でも認識せざる負えない。そうなった老人は凄いスピードで衰える。精神と肉体が「老い」を認めてしまうとあっという間にヨボヨボの老人になる。

精神が老人じゃない!と思っている間は老人じゃないのだ。周りが勝手に決めるなバカタレ!ええい、わしは渡って見せるぞ!この南風原横断歩道を!

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口頭伝承


沖縄では大変有名な妖怪であるため各地で目撃情報がよせられる。
その姿は様々で杖をついていたり、麦わら帽子を被っていたり、手押し車を押している例もある。
沖縄の道路拡張工事及び整備により、信号の数が増えたが、歩道橋の数は減少しつつある。そのため数は減らず、むしろこのまま増え続ける可能性があると専門家は語る。

妖怪横断歩道おじいをモチーフにした映画や漫画は数多く存在し、沖縄県民にとって身近な妖怪の一つ。あの有名な映画スターウォーズのC3POも妖怪横断歩道おじいを参考にしているのが誰の目にもあきらかになっている。漫画ジョジョの奇妙な冒険で緑の赤ちゃんに追いつけない話も影響されて作っているとの声も。

怖い妖怪ではなく、どちらかと言うとハラハラ・ドキドキ、心配する妖怪なので噂は広まりやすい。ぬちどぅたからの精神をもつ沖縄県民ならではの伝染力だ。


類話


平成元年以降の目撃情報に見られる「横断歩道おじい」とは直接関係しているかどうか不明だが、各地の民間伝承におけるおじいの妖怪には以下のようなものもある。


ジョーバおじい

 

南風原ジャスコ(以後バルジャス)の家電製品コーナーで健康機器「ジョーバ」で永遠に揺られている老人。
ジョォバァと言いながら揺られてひたすら健康にされている姿が目撃されている。
一説によれば家族でバルジャスにきたが、おじいおばあは歩くスピードが遅いので「ジョーバ」に乗せて自分達だけでショッピンを楽しもう!と邪な気持ちから生まれた悲しい妖怪とも。しかし、「ジョーバ」でひたすら健康にされているおじいおばあはもの凄い健康になって逆襲の機会を伺っているとの声も聞いたことがある。

 

スラムダンクおじさん

 

主に那覇で目撃状が多い。
姿はスラムダンク風のバスケットユニフォームを着て、どんな季節でもバスケットユニフォームで自転車を漕いでいる浅黒いスキンヘッドのおじさん。一度見たら忘れられない風貌からスラムダンクおじさんと好意的に呼ばれている。スラムダンクおじさん以外の情報がまったく入ってこない謎の人物。恐らくみんなから好かれている。

 

まとめ

長い横断歩道で永遠に渡れない老人を見たことがないだろうか?
そして見るに見かねて手を差し伸べ、一緒に渡る補助をしようと思った事がないだろうか?

しかし、その老人は自分を老人と思ってないので

 

「だいじょうぶよ~~渡れるからさ~」

 

と言い。疲れ果ててUターンする。老人が向こう側に行けることはあるのだろうか??
そして向こう側に行く用事とは?向こう側に何があるのだろうか?

かねひでとか?丸大?

 

島製作所 マーチS 小花ブラック

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